2011年12月23日

天草発・腰痛の常識ウソ・ホント?(ヘルニア)

 
 天草から、腰痛で困っている人に発信します。
未だ、腰痛の犯人をヘルニアだと思っている人が多いようです。
上のグラフをご覧ください。これは、1995年に国際腰痛学会のボルボ賞(腰痛研究者にとって最も栄誉ある賞)を取ったカナダの腰痛に関する研究です。まったく腰痛が無いにも関わらず、これだけヘルニアが存在しているのです。
先日、NHKの番組「ためして、ガッテン」で腰椎ヘルニアの特集をやっていました。その内容の結論は、「ヘルニアは腰痛の犯人ではない!」「腰痛にはストレスが関係している!」

その番組を見た当院の患者さんが「先生と同じ事をこの前TVで言うとったよ」と言ってくれました。
それを聞いて私は、当院の治療法を後押ししてくれたような番組でとても嬉しく思いました。それと、やっと日本のメディアが腰痛の正しい情報を発信しだしたことを嬉しく思います。

福島県立医科大の菊池臣一学長は、著書「続・腰痛をめぐる常識のウソ」1998年発行の中でMRI検査でまったく無症状の人にヘルニアが見つかることを書いています。それから遅れること13年です。

世界の腰痛診療ガイドラインではレントゲンやCT,MRI等の画像所見は危険因子(骨折、悪性腫瘍、感染症、リュウマチ及び周辺の炎症性疾患、馬尾症候等)が無い限り腰痛の診断にはあまり役立たないと書いてあります。
世界では、腰痛に関する病態概念が従来の「生物学的損傷」という観点から「生物・心理・社会的因子」を盛り込んだものへシフトしています。

当院には、「ヘルニアの手術をしたが思わしくない」「病院でヘルニアと診断された」と気落ちして来院される方が後を絶ちません。

みなさん、ヘルニアと診断されても気落ちしないで下さい。
ヘルニアは腰痛の犯人ではありません。健康な人の4人3人はヘルニアを持っているのです。
ヘルニアは腰への可負荷が原因と言うより遺伝的要素が強いのです。  


Posted by Dr.焼宇宙  at 12:00Comments(5)腰痛