2012年01月11日

天草発、腰痛の常識ウソ、ホント?(職業病)

 天草の皆様が腰痛難民にならないためのその2
うちの治療院にはよく「オリが腰しゃ~、職業病ジャンナ~」と言って腰痛を訴える方が後を絶ちません。
それで今回は「腰痛と職業」
肉体労働・車の運転・座っている事の多い仕事、歩くことの多い仕事等、皆さんどう思いますか?


このグラフをご覧ください。端の方がが少し欠けて見ずらいですが!
職業別に腰痛患者を調べたデータです。
肉体労働者と専業主婦は大差がなく約2割程度です。
最も多かったのは無職の人4割です。
他にも職業と腰痛に関する研究報告が沢山ありますが、どれも腰痛と職業を結びつけるには至らなかった様です。
おそらく、職業と言うよりも、その職場の人間関係や自分を取り巻く社会環境などが影響していると思われます。
腰痛は腰への可負荷が原因だという「生物学的損傷モデル」は過去の間違った腰痛概念です。
現在の腰痛概念は「生物学」「心理」「社会的」因子を盛り込んだものへとシフトしています。
これらは、国際腰痛学会の研究データなので腰痛の専門家であれば、知っていて当然の事実と思われますが、一般の方々にはあまりよく知られていないようです。

みなさんよろしいですか?腰痛は職業病だから仕方ないと諦めないで下さい。
自分の仕事に誇りを持って楽しく仕事をすることが腰痛の予防につながります。

下に少しデータを載せておきます。参考にして下さい。

1:農業従事者1,221名と非従事者1,130名を対象にした前向きコホート研究では、腰への負担が大きいほど腰 痛発症率が低下。腰痛の原因は「摩耗・損傷モデル」では説明不可能。腰の健康を保ちたいなら肉体労働 を恐れてはならない

2:職場における腰痛の予防をテーマにしたランダム化比較試験(RCT)を分析した体系的レビューによると、 職場での運動は腰痛の予防に効果的だったが、コルセット(サポートベルト)や生体力学に基づく教育的 介入は腰痛を予防できないことが判明

3:職場における腰痛予防に関する31件の比較試験を分析した体系的レビューによると、運動は腰痛による 欠勤、医療費、発症率を減少させ、従業員の腰痛予防に有効であることが判明すると同時に、集学的介入 には疼痛軽減効果が確認された。
                       (TMSジャパン長谷川淳史氏提供)
  


Posted by Dr.焼宇宙  at 11:26Comments(4)腰痛