2015年03月13日

椎間板ヘルニア?

 昨日、産後2週間になる女性がお尻から脚に放散する痛みを訴えて来院。
腰を曲げ右に傾き、痛みによる跛行あり、これは、産後1週目くらいより自然に起こったそうです。
整形を受診しX線撮影で椎間板ヘルニアと診断された。
授乳中の為湿布も薬も出せないとの事でその足で当院を受診。
この女性は、7年前に椎間板ヘルニアの手術をしており再び手術の恐怖が頭をよぎったかもしれない。
無症状の健康な人の8割に椎間板ヘルニアや椎間板変性が存在しヘルニアによる腰痛や下肢痛は極まれであることを説明し安心してもらった。
思ったとおり!神経学検査をしてみるとヘルニアによる神経圧迫は診あたらない。神経学的なものは正常であった。
仙腸関節からくる痛みと下肢への放散痛である。
治療後、身体も真っ直ぐになり、痛みもかなり和らいだとの事。
跛行もなく、喜んで帰られた。あと2~3回の治療で終了予定
世界の腰痛ガイドラインでは、危険信号がないかぎり画像検査は役立たないと言っている。
今回のケースもX線撮影が必要だったのだろうか?
結局、薬も出せない、湿布も出せない、放射能を浴びせて返しただけ。
「患者の利益は何も無い」

全腰痛患者でレッドフラッグ(危険信号)が認められるのは10%未満だそうです。日本の整形外科医が腰痛診療ガイドラインの勧告に従えば画像検査実施率は1/10くらいになるらしいです。大幅な医療費の節約にはなりますが、経営が成り立たなくなる恐れもあります。

  


Posted by Dr.焼宇宙  at 16:35Comments(1)腰痛